商業・法人登記

「社長も住所変更登記が必要?」会社の代表者が引っ越したときに忘れやすい登記

会社の代表取締役が引っ越したとき、「個人の住所が変わっただけだから、会社の登記には関係ない」と思っていませんか。

株式会社の登記事項には、会社の本店所在地だけでなく、代表取締役の氏名と住所も含まれています。そのため、登記されている代表取締役の住所が変わった場合には、会社の登記についても確認が必要です。

会社は引っ越していなくても登記が必要?

会社の本店所在地が変わっていなくても、登記されている代表取締役の住所が変われば、代表取締役の住所変更登記が必要になります。「本店移転」と「代表取締役の住所変更」は別の手続です。

いつまでに登記する?

株式会社では、登記事項に変更が生じた場合、原則として変更が生じた日から2週間以内に変更登記をする必要があります。代表取締役の転居は、会社名や本店、役員の変更と比べて見落としやすいため注意が必要です。

自宅住所を登記簿に出したくない場合は?

株式会社の代表取締役等については、一定の要件を満たして申し出ることで、登記事項証明書などに表示される住所の一部を非表示にできる「代表取締役等住所非表示措置」があります。ただし、住所そのものを登記しなくてよくなる制度ではありません。非表示措置を利用していても、住所が変わった場合の変更登記義務がなくなるわけではありません。

住所非表示措置にも注意点があります

法務省は、住所非表示措置により登記事項証明書等で代表者住所を証明できなくなるため、融資や不動産取引などで一定の影響が生じる可能性があると案内しています。利用する場合は会社の取引状況も踏まえて検討することが大切です。

役員変更のときにまとめて直せばいい?

代表取締役の住所変更と、役員の任期満了などによる変更登記は、それぞれ変更原因が異なります。住所変更について登記すべき時期が来ている場合、将来の役員変更まで待てばよいとは限りません。会社登記は、現在の登記事項と実際の状態を一致させておくことが基本です。

登記を忘れたままだとどうなる?

会社法上、登記すべき事項について期限内に登記をしなかった場合には、過料の対象となる可能性があります。長期間放置すると、後から過去の住所移転の経緯を確認する必要が出てくることもあります。

会社の登記簿を時々確認してみる

会社を長く経営していると、代表者の住所だけでなく、役員の任期、会社の目的、本店所在地、商号、役員構成なども変わることがあります。現在の状態と登記内容が一致しているか、時々確認しておくことをおすすめします。

引っ越しをしたら「会社の登記」も思い出してください

代表取締役本人にとっては単なる引っ越しでも、会社から見ると登記事項の変更になる場合があります。大志法務事務所では、代表取締役の住所変更をはじめ、役員変更、本店移転、商号・目的変更など、会社・法人の変更登記についてご相談を承っています。

会社の登記は、変更があったときに一つずつ確実に更新しておくことが、後から手続を複雑にしないためのポイントです。

さらに確認しておきたいポイント

非表示措置中でも住所変更登記は必要

代表取締役等住所非表示措置は、登記事項証明書等で住所の一部を表示しない制度であり、住所を登記しなくてよい制度ではありません。

非表示措置を利用中の代表取締役等の住所が変わった場合も変更登記が必要です。新住所でも非表示を続けたい場合は改めて申出が必要になる場合があります。

何度も転居している場合の資料

登記簿上の住所から現在住所まで複数回転居している場合、住民票だけではつながりを確認できず、戸籍の附票など追加資料が必要になることがあります。

古い住所のまま長期間放置しないことが手続を複雑にしないポイントです。

代表者情報の変更先を一覧化

代表者の住所変更は登記以外にも、金融機関、許認可、取引先などの届出へ影響する場合があります。

会社で変更先を一覧にして、登記と併せて更新すると漏れを減らせます。

実務上の補足

「もうすぐ役員任期が来るから、その時にまとめて住所も直そう」と考えることがあります。しかし、住所変更と役員重任は変更原因も発生日も異なります。

何度も転居しているのに会社登記だけ昔の住所のままというケースでは、いつどこへ住所を移したのかを確認し、変更の経緯を登記に反映する必要があります。

代表取締役の住所が変わると、金融機関、許認可、契約先などへ変更届が必要になる場合があります。登記簿だけ直して他の登録が旧住所のままでは、郵便や本人確認で不都合が生じることがあります。

参考情報

制度改正などがあるテーマは、公開時点の情報を元に掲載しています。

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